安全な日帰り白内障手術を納得して受けていただけるように。
私たちは普段から眼科の手術に触れていますが、患者様にとって目の手術は初めてであったり、知り合いや近所の方が手術したのを聞いたことはあるという方がほとんどだと思います。目の手術というのは、やはり患者様にとって一世一代の重大な出来事です。手術に対する恐怖や不安は、当然あるでしょう。しかし、実際執刀することが多い白内障手術は、局所麻酔自体も痛いものではなく、手術中の痛みもほとんどなく、10-15分程度の短時間で終了いたしますので、特にご心配いただくことはありません。私達が手術において最も大事にしているのは、『安全に』ということです。いくら短時間で痛みなく手術が終わっても結果が伴わなければ意味がありません。そのため、当院では大学病院などでも採用されている検査機器・手術機器を使用して検査を行い、日本眼科学会眼科専門医の院長が執刀、感染予防のためクリーンルームでの手術を施行しておりますのでご安心ください。
また、皆様の大事な手術を当院で受けていただく際には、「医者に言われたから」とか「家族に言われてなんとなく」などではなく、やはりしっかり医師やスタッフと相談し、最終的には本人がしっかり納得した上で、手術を受けていただきたいのです。本人にとって目の手術というのは重大なことですので、手術を受けるかどうか迷われたり、どうしても決断できないこともあるかもしれません。それは当然のことですので、その際には、「けい眼科クリニック」の院長やスタッフにいつでも相談してください。
病気のこと、手術の方法や手術前後のケアなど、どんなことでも構いませんので、ご相談してください。すべてに納得した上で、手術を受けていただけますようサポートさせていただきます。
白内障手術のタイミング
目のかすみ(ひらがな)やまぶしさ、視力低下で生活上不便が生じたときは、白内障手術のいいタイミングではあります。しかし見えないことに慣れていき、白内障を放置したままにすると、見にくいためにさらに生活の質が下がったり、手術の手技が難しくなったり、眼内レンズの決定が困難になったり、白内障以外の病気が発見困難になったりとデメリットも多くあります。ですから決して放置せず眼科で経過観察しながら、遅すぎない適切な時期に手術するのが最善といえるでしょう。白内障手術はある程度の年齢になれば、多くの方が受ける保険診療の眼科では最も一般的な手術であり、比較的安全な手術ですので、心配しすぎないよう、手術時期は医師に相談してもらえればと思います。また、当院では仕事が休めない方や付き添いされる方のご都合のため、土曜日の手術にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
当院では入院不要の日帰り手術をおこなっています。入院手術が必要な症例やより高度で専門的な治療が必要な場合は、入院や特殊治療が可能な施設に紹介させていただきます。
日帰り手術の利点は、手術後に心休まる自宅で、落ち着いて療養できること、入院費用がかからず、早期の社会復帰が可能なことなどが挙げられます。「けい眼科クリニック」の院長は地域の基幹病院の部長として約10年間、1年間に数百件の日帰り手術を執刀・経験して参りました。手術適応となる患者様にはぜひ日帰り手術をお勧めいたします。ただし患者様の状態によっては、日帰り手術に適応しない場合(重度の内科的疾患への罹患や、手術中の安静が不可能の患者様など)がございますので、まずはお気軽にご相談ください。
<当院院長の過去10年の手術執刀件数>
白内障手術:約4000件(多焦点眼内レンズ挿入を含む)
その他、眼内レンズ縫着術、硝子体茎顕微鏡下離断術、緑内障手術(流出路再建術、濾過手術)など多数執刀。
白内障手術
一般的な白内障手術、難治白内障手術、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術(選定医療、詳細は来院時ご確認ください。)など
緑内障手術
線維柱帯切除術、線維柱帯切開術(小切開のカフークデュアルブレード使用も可能)、マイクロパルス波を用いた最新のレーザー治療(経強膜毛様体光凝固術)など
硝子体手術
黄斑上膜、黄斑浮腫、硝子体出血、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、硝子体混濁など
外眼部手術
翼状片手術、麦粒腫・霰粒腫切除術など
手術が決まりましたら、改めて手術前の必要な検査を行う日や手術日の決定をさせていただきます。また、内科などかかりつけの病気がないか確認させていただきます。必要に応じて、かかりつけの医療機関での検査結果などを提示していただく場合もございます。
手術当日はあらかじめ予約の時間に来院していただき、血圧や全身状態に変わったことがないか確認の上、手術前の抗生剤の点滴や点眼をさせていただきます。準備ができましたら手術室に入室し、目的の手術を行います。(通常の白内障手術でありましたら10-15分程度ですが、手術時間は前後する場合がございます。)手術が終わりましたら、回復室で30分程度、安静にしていただきます。手術翌日は必ず診察しますので、その診察時間をお伝えして、帰宅していただきます。
受付
事前に指定する時間にご来院いただきます。
検査・診察
前回受診時から大きな変化がないか、再度検査する場合があります。
全身状態の確認
血圧測定などを通して、全身状態が落ち着いているかどうか確認します。
手術準備
手術室へ入る前に抗生剤の点眼や、瞳を開くための点眼をおこないます。
手術室
白内障の手術であれば、約15分程で終了します。
リカバリールーム
手術終了後しばらくは、院内で安静に休んでいただき、帰宅していただきます。
ご帰宅
手術患者様にはご希望により送迎サービスがございますので、スタッフまでお申し出ください。
術後診察
手術翌日の午前中(どうしても無理なら午後診察で)に、必ずご来院いただき、術後の経過を診察します。
濁った水晶体を摘出し、代わりに人工の水晶体(眼内レンズ)を挿入する手術です。
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焦点の合う距離が1か所の眼内レンズです。遠く・中間・近くのどの距離を重視するかは、患者様本人の生活スタイルを考えて選択します。どの距離に焦点を合わすか迷う方はご相談ください。また、乱視が比較的強くある場合は乱視矯正のレンズの適応になる場合があります(保険適応です)。
遠く・中間・近くのうち、2か所もしくは3か所に焦点が合う眼内レンズです。見える幅が広がりますので、メガネをかける頻度を減らしたい方、比較的アクティブな生活をされている方に適しています。ただし、多焦点レンズを挿入しても焦点が合わない距離はメガネが必要になることもあります。また、多焦点レンズを希望されても目の状態によっては適応にならない場合があります。また、フロー・グレアやコントラスト低下など多焦点レンズ特有の副症状(必発ではない)を許容していただく必要があります。
夜間の運転が多い方:グレア・ハローといって対向車のヘッドライトなどの周りに輪がかかってにじんだり、ぎらついたりする症状が出て、慣れるまでは見え方が安定しないため。しかし、夜間運転が多い方で、多焦点レンズを希望するなら、現時点ではClareon Vivity(クラレオンヴィヴィティー)がおすすめです。高いコントラストが得られる焦点深度拡張型レンズです。ただし乱視が強い方には適応になりません。
白内障がほとんどない方:その時点で視力に大きな問題がないため、かえって見にくくなってしまう恐れがあります。
神経質な方:全ての距離にピントが合うわけではなく、完全にメガネなしで生活できるわけではないため。
他、白内障以外に目の病気がある方、矯正不可能な強い乱視がある方、80歳以上のご高齢な方など。
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他にもいくつかの種類はございますが、代表的な多焦点眼内レンズについて記載しています。
国内で初めて厚生省による承認を受けた「3焦点眼内レンズ」です。そのため、最も症例数が多くあります。さらに2022年には素材を一部改良され、よりメリットの大きい多焦点眼内レンズへとアップデートされています。
連続焦点型眼内レンズで、3焦点+焦点深度拡張型の二つの性質を併せ持つことで、理想的な見え方を目指したレンズです。
焦点深度拡張型(EDOF)の構造を持つことで、焦点の領域が広がり、多焦点眼内レンズの欠点である不快感(ハロー・グレア現象など)を軽減できる2焦点眼内レンズです。遠距離~中距離には強いですが、近方は少し見にくく、老眼鏡を必要とすることが多いです。
保険診療で使用可能な2焦点眼内レンズです。低加入度数分節型というデザインをとることで、遠距離~中距離に良好な視力が得られ、多焦点眼内レンズに特有の不快感なども軽減されたレンズです。ただし、近距離を見るにはメガネが必要です。
令和5年に販売開始された波面制御型焦点深度拡張眼内レンズです。グレア・ハロ―といった術後の不快感を単焦点レンズと同程度まで低減し、連続的焦点距離を遠方~実用的近方距離まで引き延ばしております。従来では適応のなかった他の眼疾患(緑内障など)や乱視がある患者様などにも使用することが可能であると報告されています。ただし手元の細かい文字を見るには老眼鏡を必要とする場合があります。
レンズ外観 | |||||
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レンズ名称 | クラレオンパンオプティクス | テクニスシナジー | テクニスシンフォニー | レンティスコンフォート | クラレオンヴィヴィティ |
光学部デザイン | 3焦点回折型 | ハイブリッド回折型 | エシェレット回折型 | 低加入度数分節型 | 波面制御型 |
適応制度 | 選定療養 | 選定療養 | 選定療養 | 保険診療 | 選定療養 |
乱視矯正 | あり | あり | あり | あり | なし |
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手術の翌日から2-3日は手術後の状態を確認するため、必ず診察をさせていただきます。その後は状態を見て診察の間隔を空けていきます。手術後の状態に不安のある方はいつでも来院していただいて構いません。
当院で手術を受けられる患者様にはご希望により送迎サービスがございますので、スタッフまでお申し出下さい。
この度、当院では患者様の利便性を更に向上するべく、相互タクシー様と提携させていただくこととなりました。
当院で白内障手術(もしくは緑内障手術・硝子体手術)をお受けになる際に、遠方からお越しの方や、交通が不便な方、歩行が不自由な方など、ご希望の方には、無料でご自宅まで送迎をさせていただきます。
ただし、無料送迎の範囲はタクシーメーターで片道1700円(約4km程度)以内となっております。(超過した分は患者様のご負担となります。)
無料送迎は手術当日(行きと帰り)、手術翌日(の来院時のみ)と致します。
送迎をご希望の際には、遠慮なく当院スタッフまでお伝えください。
<当院から半径約4kmの範囲>
※あくまで目安になります。
※画像クリックで別タブで開きます。
「高額療養費制度」とは、同一月(1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額が高額となった場合に、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、後で払い戻されるもの。加入している保険によって、申請場所が変わります。
たとえば国民健康保険ならば、市区町村の担当窓口に申請を。まずは担当窓口を確認の上、申請の条件や方法などを問い合わせてみましょう。
あらかじめ高額の医療費がかかることが分かっていれば、事前に「限度額適用認定証」を利用して、負担を軽くすることも可能です。
なお、年齢や所得状況などによって自己負担限度額も異なりますので、詳しくは担当窓口でご確認ください。
術後の状態によっては、翌日と翌々日にも受診していただきますのでご了承ください。
その後は状態を見ながら、適度な間隔で定期的に受診していただきます。
からだ同様、眼も加齢で病気になります。
40歳を過ぎたら眼科専門医で定期検査を。
からだも目も加齢とともに病気の可能性が高くなります。
「人間ドックには行っているが目は調べていない」とか、「自分はよく見えているから大丈夫だ」と過信していませんか。
例えば放置すると失明につながる緑内障という病気は、40歳以上の20人に1人という比較的高い確率で発症し、しかも初期だと自覚症状がほとんどないという恐い病気です。
そのほかにも白内障や加齢黄斑変性など、加齢とともに発症率が高くある病気がたくさんあります。
これらの病気の多くは、早期発見・早期治療が重要ですので、40歳以上の方で目の自覚症状が無くても、眼科専門医による定期的な検診をお勧めします。